ACSの考える、メドケムとして就職するには

ACS(米国化学会)のページに学生向けのキャリア案内が掲載されている。もちろんメドケムも載っているので、米国の様子がどんなものか見てみよう。

概要

メディシナルケミストの主な仕事は、新薬の合成や既存薬の合成プロセスの改善です。生物学者、毒物学者、薬理学者、理論化学者、微生物学者、薬剤師といった多様な領域の研究者とチームを組んで新薬の研究開発を行う刺激的な分野です。

雇用トレンド

製薬企業はここのところずっと人員削減や合併を進めています。海外への外注も進んでいるので、国内で製薬研究職を得るチャンスは減ってきています。ベンチャー企業や受託試験機関での仕事の方が望みがありそうです。

経歴

製薬企業は特に有機化学において高い学位と研究経験、少なくとも2年のポスドク経験を求めています。ケミストはふつう博士ですが、技術職(テクニシャン)は大学卒です。

スキル

化合物の精製や分析を含む有機合成化学のスキルが必要です。また、生物学、生理学と薬理学の広範な知識が求められます。

多分野にわたる大きなチームの中でメディシナルケミストは作るべき化合物を決めることになるので、みんなとうまくやる対人関係スキルが不可欠です。

給料

平均900万円(2015年)です。

キャリアパス

メディシナルケミストのキャリアは研究所から始まり、その後はプロセス、製剤、品質管理・保証部門に移ります。薬事や知財、プロジェクトマネジメント、技術移転などの非実験系部門に移ることもあります。

あなたに合っているか?

メディシナルケミストは様々な仕事と未知の探求を楽しめなければいけません。想像力と忍耐も大事です。チームの一員として働くためには、他分野の科学者とのコミュニケーション能力も欠かせません。人々の健康に貢献する仕事であることを認識することは、この分野で働くことの強いモチベーションになるでしょう。

感想

さすが米国化学会というべきで、雇用トレンドから適正のアドバイスまで丁寧に書かれている。日本化学会や日本薬学会にはこんなページは無いはずである。

メドケムの仕事については、経歴以外の状況は米国も日本も大して変わらないようだ。日本では修士もけっこう採るが、向こうはポスドク経験が必要というところに文化の違いを感じる。

仕事内容は日本と大差無さそうなので、就活のエントリーシートの参考にもなるだろう。特に対人関係やモチベーションは重要な指摘である。もし自分に合わないと思ったら、製薬業界以外の道ももちろんある。自分に合わないと思いながら入っても、メドケムがこの先生きのこるのはなかなかに大変だ。

出典

Medicinal Chemistry – ACS

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