【成功の第三法則】成功は雪だるま式に増える

The Formula: The Universal Laws of Successより、成功の第三法則を紹介します。著者のバラバーシと本書の概要については、過去記事をご覧ください。

Barabási Albert-László(バラバーシ・アルベルト・ラースロー)は理論物理学者で、ネットワークサイエンスの第一人者として...

成功の第三法則

過去の成功 × 適合 = 未来の成功

未来の成功は、Preferential Attachment(優先的選択)という原理により、過去の成功から雪だるま式に膨れ上がっていきます。一方で、過去の成功がない新参者でも、fitness(適合)が高ければ未来の成功を勝ち取れる可能性があります。適合は真の価値とか競争力といった意味合いで、どちらかというと定性的なパラメータという点で、パフォーマンスに近いがやや異なった概念です。

優先的選択

最初のキーワードはPreferential Attachment(優先的選択)です。優先的選択は、もともとはバラバーシが考案した複雑ネットワークの構築アルゴリズムで使われていた用語です。

これは、既に多くの他のノードとリンクしているノードほど、新たなリンクを作る可能性を高く設定することで、現実世界のネットワークの性質を再現できるというものです。本書においてノード間のリンクは他者からの評価=成功に他ならないので、既に成功している人ほど続けて成功できる可能性が高い、ということになります。

優先的選択という現象は、誰でもファーマーズマーケットで簡単に再現できます。友人にお願いして、市場の中のどこか一つのお店の商品を熱心に見てもらいましょう。そうすると、まるで磁石にでも引き付けられるかのように他のお客さんが集まり、行列ができ始めます。この現象こそが優先的選択です。

そのお店の農作物が特別おいしいわけではありませんし、行列に並ばなくても買える隣のお店のものが特に劣っているわけではありません。ただただ、先に人が集まっていたというだけです。しかし、どうしてそんなにお店に人が集まっているのだろう、という興味だけで人は引き付けられているわけです。ここでの成功は、パフォーマンスとは全く関係が無いのです。そして、パフォーマンスが測定できない分野ほどこの傾向は顕著になります。ワインやアートはその典型といってよいでしょう。

例は無数に挙げられます。オンラインショッピングは最初のレビューが肝心だし、飲食店の評判もそうです。クラウドファンディングでも既に寄付が集まっている案件ほど寄付が集まりやすいし、何かの賞をもらった人は続けて別の賞をもらうものです。モテる人が大勢にモテるがモテない人は誰にもモテないのも同じ理由で、結局のところ優先的選択は人生の不平等性の原因なのです。

適合

優先的選択では、成功はパフォーマンスと無関係に思えます。しかし、現実にはそうでないこともあります。新参者だったGoogleが、Yahooを退けてサーチエンジンのトップに上り詰めたのはなぜでしょうか?

もちろん、これはGoogleがYahooよりも良いサーチエンジンだったからです。ここでいう良いとは、より関連性の高いWebサイトが見つかるというように、利用者のニーズに適合しており他のサービスに対して競争力を持っている、という意味です。筆者はこの定性的な性質をfitness(適合)と呼んでいます。ソーシャルインフルエンスの影響を除いた、物事の真の価値という見方もできるでしょう。

適合が秀でたものは、過去の成功が無かったとしても、徐々に成功への階段を上がっていきます。しかし、駆け上がるほどではありません。適合だけで勝負するのは時間がかかるのです。ハリーポッターの初版は500部しか売れなかったし、米国で発売されてからも1年間は日の目を見ませんでした。

時間は貴重なリソースです。だから、適合だけで勝負するビジネスでは体力が持ちません。米国のベン&ジェリーズは素材にこだわる優れたアイスクリーム店でしたが、それだけでは今の成功はありえませんでした。商品に自信があるのにその価値が知れ渡っていないと感じた創業者は、創業1周年の日にアイスクリームを無料(フリーコーンデー)にしました。

もともと高い適合をもつアイスクリームだったので、フリーコーンデーで評判が評判を呼び、ベン&ジェリーズの名声は全米に轟きました。どんなに優れた商品でも最初は手にとってもらえないものです。フリーコーンデーを設けて、とにかくその適合を評価してもらう最初の機会を増やすことで、優先的選択を味方に付けて成功の階段を駆け上がったのです。

創業者であるベンとジェリーは、 @benandjerrys_jp の第1号店をガソリンスタンドではじめました。今や、世界中で大人気に!

これからの成功を望む人は、適合だけでは不十分なわけです。最初の成功を手にし、優先的選択を利用して、その成功を雪だるま式に増やしていくことが必要です。いかに天才でも、自分の才能を最初に評価してもらわなければ成功はありえないのです。

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