【問3】ベンジル位の”酸化”

ドルテグラビル(テビケイ)は塩野義の抗HIV薬で、海外ではGSKに導出されています。塩野義に支払われるロイヤリティーは年間1000億円以上と言われており、ゾフルーザで話題の塩野義の屋台骨を支える医薬品の一つです。

やはりOPRDにプロセス合成が報告されていましたので、問題に取り上げてみます。

前置き:鍵反応の紹介

中心の3環性骨格は一見難しそうに見えますが、4-ヒドロキシピリジン誘導体31から意外に簡単に構築できます。教科書通りのヘテロ原子横を切る逆合成でOKなので、(実際の最適化の苦労はさておき)合成経路の立案自体はそれほど大変ではなさそうです。

立体化学ですが、環状ヘミアミナールを形成してからエステルの分子内アミノリシスが進行するので、Me基の立体化学から速度論的に制御されていると考えられています。アミナールの形成は可逆反応なので、アミノリシスが進行しやすい方に寄っていくということですね。

問題:ピロン2位メチル基の酸化

問題は4-ヒドロキシピリジン31の調製です。1位と2位に適切な酸化度をもつ官能基を導入しなければならないので、これが意外というかやっぱりというか、大変な検討だったようです。

というわけで、今回の問題はこちら。4-ピロン3からカルボン酸21を合成する方法をいくつか考えて下さい。論文ではかなりの検討の末に5工程で導く方法が採用されています。

ヒントは5工程というところですね。これだけ工程数がかかるということは、メチル基の直接酸化があまりうまくいかなかったということです。迂回法を考えてみましょう。

出典

Practical and Scalable Synthetic Method for Preparation of Dolutegravir Sodium: Improvement of a Synthetic Route for Large-Scale Synthesis

Y. Aoyama and T. Yasutaka et al., Org. Proc. Res. Dev., ASAP (2019)

doi: 10.1021/acs.oprd.8b00409

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